何で戻ってきたの
何かが爆発したのかと思ったほど、扉が閉まる音は大きかった。
慌てて鈴が振り向くと、源矢からの言付けをジムの皆に伝えに各部屋へ行ったはずの閃の姿。鈴は驚き口を開いて――目を見張った。閃は肩で息をし、額から汗が噴き出している。トレーニングの時と変わらないと言えば変わらないが、問題はその焦点の合っていない目と、真っ赤な顔。
何拍も遅れて鈴はようやく声を出した。
「何…で、戻ってきたの…?」
「!」
瞬間更に燃え上がるように赤くなった閃は、鈴と顔を合せられないのか踵を返し扉を開けて逃げていってしまった。
(何があったか…は、なんていうか……想像つくんだけど)
ジムの皆が閃のことをちょっと特別な方面から気に入っているのは重々承知している。告白事故(?)でも起こったんだろう。
(で、でも、誰?和真?孝紀?羊介…は違うか、いい人ポジだし。龍生さん…?ま、まさか久太!)
「おじいちゃん以外の誰か…よね」
女である久恵や自分はすっかり蚊帳の外に追い出して、鈴は唸った。
08/08/15