ちゅ。頬に、ひとつ。 ちゅ。額に、ひとつ。 それだけで、シアワセ。 …イヤ、ホントよ? 「みずたに、くん」 「なにー?」 「口、には、しないんです、かっ?」 「え。」 「しないの…かな…」 ああそういう風に、常識と照らし合してるみたく言わないで三橋! おれ常識と戦ったら瞬殺されるから!あと欲望にも! 「いや…はは…?」 「…?」 「ほら、口にキス、は一番好きな人にするじゃん?だからその…」 って何言ってんだおれ!? それなら今こそすべきだろ! 「ああう〜〜〜…」 「わ、かった」 「へ?」 「おれ、頑張って、み、水谷くんに、好きになってもらうように…その…」 「え…いやいやあのね三橋、おれはもう十分お前のことってかおれの方がお前のこと好…」 「がん、ばる!」 「西浦の一番も、水谷くんの一番も、頑張る、から!」 ……。 ちゅ。唇に、ひとつ。 「うぉ?」 ちゅ。首筋に、ひとつ。 「ひゃっ!?」 「あーもうせっかくガマンしてたのにぃ!三橋の馬鹿馬鹿馬鹿!!」 むぎゅう〜〜〜っ!と、抱きしめる。やわらかくてあったかくて、なんもかんもぜーんぶ吹っ飛びそ…。 「ふぇ…?」 首を傾げた可愛い可愛い三橋に。 「ごめんなー…」 今度はちゃんと、謝ってから。 長い長い、キスをした。 おれも背中に1って書いてもらお。 三橋の一番、ってさ!