守護者とボス :
、銃弾を。
いつかくるその時のために、俺は銃を磨くことを絶やさない。
〈、銃弾を。〉
もし、どうしようもなくなったとしたら。
俺は、何処に撃ち込めばいいかな?
もし、どうしようもなくなってしまったら、俺は撃ち込まなくちゃいけないんだ。きっと、撃ち込んでしまうんだ。
嵐の守護者になら、額に。
雨の守護者になら、胸に。
雷の守護者になら、頬に。
晴の守護者になら、背に。
霧の守護者になら、瞼に。
雲の守護者になら、首に。
決して苦しんだりしないように。一発で、決めてみせるから。
だから、動かないで、ね。
…動く、な。
目を閉じる前に見るあなたの顔はどんなだろう。笑っているだろうか。怒っているだろうか。驚いているだろうか。泣いてるのだろうか。
どれであっても、君は、喜んでくれると信じています。
エゴだと笑う?そうかもね。でも、俺はお前が思っているよりもずっと、自惚れ屋なんだよ?
――もし、どうしようもなくなったとしたら。
俺はちゃんと撃ち込めるかな?
俺から、ちゃんと、撃ち込めるのかな?
キスという名の、銃弾を!
〈、銃弾を。〉
(いつかくるその時のために、俺は銃を磨くことを絶やさない。)
終
十年後のボスは、基本今と変わらずとも今よりちょっとお茶目だといいなと思うのです。