暖かな日



ツナの執務室に面した中庭に、大きな樫の木が一本悠然と聳えている。
そこは夏の強い日差しを遮り、葉の間から零れる行く筋もの木漏れ日とおだやかな風がなんとも言えぬ心地よさで、ツナのお気に入りの昼寝場所であった。
今日、主だった会合は無く、急を要する書類も無い。
こんな日に屋内に閉じこもっているのは体に悪い、とツナに付きっ切りだった右腕と家庭教師を追い払ってこうして穏やかな一時を満喫していた。

「あー気持ちいいね、山本」
「んー?だな!」

鼻から抜けるような声を上げて、ぐぐっと空に向って伸びをしたツナは、腕を下ろすとそのままごろりと体を倒した。
せまっ苦しいスーツの上着は当に脱ぎ捨てられ、木の根元に二人分放り投げてある。
ツナは白いシャツに上着と同じ色のスカートを着たまま、そのカモシカの様な足を惜しげもなく投げ出して、山本を苦笑させた。
体が芝生の上に横たわり、その頭の下に柔らかい足の感触を感じて、ツナはにっこりとその持ち主に笑いかける。

二人のお目付け役を追い出してから、絶妙のタイミングで現れた山本の腕を引いたツナは、一直線にこの場所へ来ると、昼寝をしようと言い出した。
ツナはこの場所で山本と過ごすことがとても好きなのだ。

自分の足に頭を預けるツナに同意しながら、山本はその柔らかい茶色の髪に手を差し込んで、優しく梳いて行く。
山本の大きな手が何度も優しく触れていく感触に、心地よさでうっとりとその榛色の瞳を細めた。
猫が甘えるように太腿に頬を摺り寄せて微笑むツナに、山本は甘ったるい笑みをその面に湛えてツナを見下ろす。
こうして二人だけで穏やかな空間に在る事が、とても幸せなことのように感じられて、ツナは一層笑みを深くして山本を見つめた。

「気持ちいいね、山本」
「ああ」
もう一度告げる。
心地好さに目を閉じて、ツナは甘く囁くように言葉を紡いだ。
「山本といるから、気持ちいいんだ」
その言葉に、山本は一瞬驚いて目を見開き、しかしすぐに蕩けそうなほど甘い笑みをツナに向けた。
まるでそれが至高の幸せだと言うような笑みに、ツナの鼓動が大きく跳ねる。
頬に熱を寄せて、うっとりと見惚れてしまう。
「そうか」
「そうだよ、ねえ山本」
「ん?」
ツナはとろりとした眼差しで山本を見つめると、緩慢に腕を伸ばして、山本の項に手の平を置く。
そのまま軽く引くようにすると、ツナの意図を悟った山本は、ツナの成すがままになった。
その精悍な顔が嬉しそうに微笑んでいる。
それを見て、ツナまで嬉しくなってしまうのだから、もうどうしようもなかった。
やがて余った腕が完全に首に絡ませられると、二人はじっと目線を合わせて見詰め合う。
言葉はない。
今の二人には、それだけで十分であった。
吐息が触れる距離まで顔が近付き、唇が触れる前ほんの一瞬だけ動きが止まり、そのまま二人は目を閉じて口付けた。
初めは何度か軽く触れては離れ、時が経つにつれて段々と深くなっていくキスは、酷く甘い。
最後にちろりと唇を舐めて離れていく山本の舌を眺めながら、ツナは満足気にほうっと息をつき、そっと目を閉じた。

「ツナ」
「なに?」
「どうしよう、俺ツナの事好き過ぎてしょうがない」
耳元で囁くように告げられた言葉に、ツナはくすくすと声を立てて笑った。
「そんなの」
ツナは山本を見つめる自分の眼差しに、溢れるほどの愛おしさが込められていれば良いと思った。
「俺も一緒だよ」

ツナがそう嬉しそうに微笑むのに、山本も相好を崩してそっかと嬉しさを滲ませて言った。


穏やかな日差しの中、何者にも代え難い幸福な時間を二人は満喫していた。











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そんなこんなで山ツナです。
初山ツナです。
穴があったら入って埋まりたい…!!!
何だこのアホみたいに甘ったるいお話!!!
過去最高に甘いんじゃあなかろうかちょっと本気で恥ずかしい


そして空月さまあああああっ!!!
相互なのにこんなに遅くなってしまってほんとにスミマセンでしたああああああっ!!!!!(土下座)
そしてこんなグダグダですみませんツナ女の子って分かりにくくてごめんなさい(泣)
とりあえず山本とツナはラブラブであればいいと心の底から思います。
そして山本はナチュラルに黒ければ尚いいと思います(おまえもう黙れ)


こんなんで良ければ貰ってやってください!!
もちろん返品可で御座いますー。
少しでも喜んでもらえたら、泰匡狂喜乱舞します(やめなさい)



070714

 

 

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きゃー山ツナだ山ツナだそれも女の子―――!!!(落ちつけよ)

いや…正直いきなりリクで女の子化はアリなのかと自問自答したのですが、書いて頂きたいという欲望を抑えられず。

そんなわがままにこーんな素敵話(それも十年後!)を書いて下さった泰匡様、神…!はい、山本はナチュラルに黒くていいと思っています(笑)

甘々な二人が愛しい…私はつい甘い話から逃げてギャグにたどりついてしまう人間なもので、こういうお話を書ける方を尊敬しています。

返品だなんてとんでもない!末永く飾らせて頂きますねvvv

相互小説ありがとうございましたー!!

 

by.空月