誰も知らない5分間 「くー…」 十年前のランボは寝ていた。 「ぐー…」 十年後のランボも寝ていた。 そんなとき、十年前のランボが寝ぼけて十年バズーカを発射。 ぼひゅん。 少々間の抜けた効果音と、白い煙の中から、十年後のランボが現れる。 しかし彼もまた寝ているため、十年前に来ていることに気づかない。 「ぐー…」 というか、幸せそうな顔をしてぐっすり眠っている。 目の前に誰がいるかも知らずに。 「すー…」 ランボの目の前には、ツナの寝顔。 こちらもとても、幸せそう。 ツナは十年前のランボを抱きしめて寝ていたのだ。 だから今は、身体の大きな十年後のランボをツナが抱きしめている。 なんだかアンバランスな不思議な絵になっている。 「ぐー…」 「すー…」 二人とも起きる気配はまるでない。 窓から入り込む午後の柔らかな日差しを浴びて、気持ちよさそう。 ふと、ランボがツナを抱きしめるようにツナの背に腕を回した。 互いの顔に、吐息がかかりそうなくらいの距離になる。 ランボはふにゃふにゃと寝言を言う。 「ボンゴレ…」 それに応えるように、 「ランボ…」 ツナの口からも寝言が漏れる。 ランボが微笑む。 「だい…すきです、ボンゴ……ツナ…」 「うん…」 ツナもにっこり微笑んだ。 「俺も…」 ツナがランボをぎゅ、と抱きしめる。 「す…き……」 そう言って、また寝息を立て始める。 「ぐー…」 「すー…」 ぼひゅん。 5分が経って、十年前のランボが十年前に、十年後のランボが十年後に戻った。 「くー…」 「すー…」 「ぐー…」 誰も知らない5分間。 誰も知らない、秘密の逢瀬。 終 ネタの時点ではもう少しいい感じの話だったはずなのに…!相変わらずヘタレですみませんorz